手を変えて攻撃を続けるサタン
悪魔は、私がどんなにゴキブリが嫌いかを知っていました。これを書くのも嫌なほどですが、悪魔が私とどう戦ったかを示すために、書くべきだと思います。ある日、部屋を出て行こうとしてドアを閉めました。すると突然、何かの液体が私の上にまき散らされ、私の顔に降りかかるのを感じたのです。それがどこから来たのか分かりません。突然、悪魔の笑い声が聞こえ、侮蔑的な調子でこう言いました。
「これが俺の洗礼のやり方だ。お前にはこの聖水がお似合いだ!」
次の瞬間、何が起きたのかが分かりました。私はドアの枠で大きなゴキブリをつぶしてしまったのです……あまりに気持ち悪くて、死ぬかと思いました! サタンの攻撃についてはあまり書きたくないのですが、このメッセージが世に知られることを防ぎ、主が私に準備されていた使命を妨害しようと、サタンがどのように戦ったかをお分かりいただければと思います。
ある日、サタンはまたもや戦略を変えてきました。私をだまそうと、亡くなった私の父そのままの姿を取ったのです。話し方すら同じで、完璧な模倣でした。父がときどきしたように、フランス語で話しかけてきます。
「愛する子よ、見なさい……神はお前が間違っていると伝えるために、憐れんで私を送られたのだよ。神がこんなやり方でお前と話をしてくださるなんて、どうして信じられるかい? こんなことは、お前も分かっているだろうが、あり得ないよ、お前は神に背き、怒らせているだけだ。考えてごらん……神がお前と話をされるって? そんなこと今まで聞いたことがあるかい? そんなことを信じるのは狂気の沙汰というものだ!」
私は尋ねました。
「じゃあ、私の天使は? 天使と話すことはできるの?」
「ああ、あれか……」
その声が憎悪に満ちていたので、これもサタンだとすぐに分かりました。
砂漠、そして完全な明け渡し
「それゆえわたしは彼女をいざなって荒れ野に導き、その心に語りかけよう」(ホセア2・16)
今度は、神は私に完全な明け渡しを望まれました。私を主に一致させ、主のものとなさりたかったのです。私を形造り、変容させたいと望まれました。私は主の望まれるような自己放棄をしていなかったので、神に自分を完全に明け渡し、神と和解するために、また違った種類の清めを通らなければならなかったのです。
このようなことが起こりました。神をお呼びしたのですが、驚いたことに返答がありません。パニックになって、天使を探して見回しましたが、天使もいないのです。その代わり、二、三の霊魂の気配が周りにあり、物乞いのように近づいてくるのが分かりました1。この霊魂たちは祈りと祝福、そして聖水を懇願しました。私は直ぐに教会に行き、彼らのために聖水を取ってきました。自分たちの上にそれをふりかけてほしいと言うので、そうしました。この行為がさらに多くの霊魂を引き寄せたらしく、あっという間に、私の周囲に大きな人だかりができました。驚いたことに、霊魂たちは痛みから解放されるらしく、大喜びしていました。
彼らの一人が、その場で自分のために祈ってほしいと、そして一回だけでいいから祝福してほしいと言います。どうすれば良いのか分からないでいると、ただ簡単な祈りを唱えて祝福するだけでいいと教えてくれました。言われたとおり、祈りを唱えて祝福しました。その霊魂は嬉しそうに礼を言い、彼も私を祝福してくれました。すべてが新しいことばかりでしたが、彼らが解放され、喜んでいるのを感じました。この機会を利用して、私が愛し始めていた天使がどこにいるのか尋ねてみましたが、答えはありませんでした。
このような孤独のうちに過ぎていく一日一日は、まるで一年のようでした。平和を探しても見つかりません。私は多くの友人や知り合いに囲まれてはいましたが、この時ほど、孤独で見放された思いを味わったことがありません。地獄の中を通っているような感じがしました。天使に戻ってきてくれるように何度も呼びかけましたが、消えてしまったのです! 天使がいなくなってしまい、私の霊魂はすっかり弱ってしまいました。探しても見つからず、呼んでも返事がありません。生きた心地がしないまま、まる三週間この砂漠をさまよい、もう我慢できなくなりました。私の霊魂が経験しているこの恐ろしい闇の中から、涙ながらに、今までなかったほどに、心からヤハウェに向かって叫んだのです。
「お父さん ……どこ? ……お父さん? どうして私をおいて行かれたのですか? ああ、神よ、私を取ってください! 私を取り上げて、あなたが望まれるままにお使いください! ……お使いになれるように私を清めてください!」
この突き刺さるような叫びが心の底から発せられると、突然天国が開き、雷鳴のように
「私、神はあなたを愛している!」
この言葉がまるで香油のように、私の霊魂が受けた深い傷の上に注がれ、直ちに癒やされたのです。神が言われたそのお言葉からは、無限の愛が感じられました。
この愛の言葉をいただいた直後は、私にとって、まるで竜巻の中から抜け出して、美しい平和の園に降りたかのようでした。私の天使が再び姿を現し、とても優しく傷の手当てをしてくれました。この終わりのない砂漠の夜を渡って行くうちに受けた傷です。
そして、ヤハウェは聖書を開いて読むように言われました。最初の一節は私を涙させ、回心させるものでした。驚くようなやり方で、神のみ心を示すものだったからです。それは出エジプト記22章25─26節のこの言葉です。
「もし、隣人の上着を質にとる場合には、日没までに返さねばならない。なぜなら、それは彼の唯一の衣服、肌を覆う着物だからである。彼は何にくるまって寝ることができるだろうか。もし、彼がわたしに向かって叫ぶならば、わたしは聞く。わたしはあわれみ深いからである」
この三週間に何が起きたのか、神はすぐには説明されませんでした。それなりの理由をお持ちだったからです。けれど、ずっと後の1990年12月22日になって、次の説明を下さいました。これが主ご自身のお言葉です。
「……愛の深淵である私の心は、あなたを求めて叫びをあげた。あなたは私の心の中に、悲しみの上に悲しみを、裏切りの上に裏切りを積み重ねた。あなたは私と格闘していたのだ、取るに足りない小さな被造物よ……しかし、あなたに二心はなく、ひとたびあなたの心を獲得したなら、完全に私のものとなることもわかっていた。時代の落とし子よ、あなたは私と格闘していたが、私はその戦いであなたを倒し、塵の中で砂漠まで引きずって行き、そこであなたは全く独りになった。
あなたが存在し始めた時から、私は守護の天使を与えていた。あなたを守り、慰め、導くために。しかし私の知恵は、天使にあなたから離れるように命じ、あなたが独りで砂漠に直面するようにした。私は言った、『裸にもかかわらず、あなたは生きねばならない2』と。なぜなら、どんな人間も独りで生き延びることはできないからだ3。そうなればサタンが奪い取り、殺していただろう。私の命令はサタンにも下っており、あなたに触れることを禁じた。すると、恐怖の中であなたは私を思い出し、天を見上げて必死に私を探し求めた。あなたの嘆きと懇願は突然、周囲の死の沈黙を突き破り、あなたの恐怖の叫びは天を貫いて、聖三位一体の耳もとに届いた……
『私の子よ!』父の声は喜びにあふれ、天に響き渡った。
『ああ4、今こそ私の傷の中に彼女を入らせよう、そして私のからだ(聖体)を食べさせ、私の血(御血)を飲ませよう。私は彼女をめとり、彼女は永遠に私のものとなる。彼女に抱く私の愛を示そう、そうするなら、彼女の唇は私を求めて渇き、その心は私の頭を休ませる台となろう。彼女は私の義に日々喜んで従い、私の愛と受難の祭壇となる。私が、私だけが、彼女の唯一の愛となり、情熱となる。そして私のメッセージを持たせて、彼女を世界の果てまで送り、非宗教的な人びと、彼女の同族でさえない人びとを征服しに遣わそう。彼女は進んで私の平和と愛の十字架を担い、カルワリオの道をたどるであろう』
『そして私、聖霊が彼女に降くだり、私たち5の真理と深みとを現そう。彼女を通して、最大の賜たま物ものは愛であることを世に思い出させる』
『それでは祝おうではないか6! 天はこぞって祝おう!』」
状況をもっとよく理解できるように、神は一つのヴィジョンを下さいました。サタンがどうしてこれほど攻撃的なのかを理解させてくださったのです。私が十分回心していないうちは、サタンは私を邪魔することもなく、満足し、どんな攻撃も見せることはありませんでした。しかし、私が神の方に向きつつあり、私を失うかもしれないと察した途端、私の霊魂を攻撃してきたのです。
それはこのようなヴィジョンでした。部屋の中で、へび(サタン)が這っているのを立って見ている私が見えます。どうやらこのヘビは私のペットのようでした。でも私は関心をなくし、餌を与えていませんでした。お腹を空かせたヘビは、驚いて穴から出てくると、餌を探し始めます。自分の皿のところにいくと、ぶどうが何房かあったので、それを飲み込みましたが、まだ満足できないようでした。今度は餌を探しに、台所の方へ向かいます。
この間、ヘビは私の気持ちが変わってしまい、もはや友ではなく敵になっていることに気が付き始めました。ですから私を殺そうとするに違いありません。私は恐れましたが、ちょうどそのとき、守護の天使が現れ、何か困っていることはないかと聞いてくれたのです。ヘビのことを話すと、天使は自分が面倒を見ると言ってくれました。私もその戦いに参加するべきかどうかためらいましたが、天使と一緒に戦おうと決心します。
天使は、ほうきをとって外に通じるドアを開け、ヘビのところに行って外へ追い立てます。そしてドアをバタンと閉め、窓からヘビの反応をうかがいました。ヘビはパニックを起こしました。ドアの方ヘ戻ってきますが、ドアはしっかりと閉じたままです。そこでヘビは、階段をすばやくすべり降り、通りに出ました。クネクネと滑すべり、外に出た途端、巨大な醜いヒキガエルに変身し、次は悪霊に姿を変えました。警笛が鳴り、そこにいた人たちがそれを捕らえて、縛り上げてしまいました。
- 10代の頃、私の周囲を大勢の霊魂たちが取り囲んでいるのを心の目で見ました。この霊魂たちを見るたびに、「ああ、また死者の霊だわ」と言ったものです。私の部屋はこの霊魂たちでいっぱいでした。互いに身を寄せあい、床の上に座っているように見えました。私といるのを喜んでいるように思われました。皆同じように見え、痩せていて、髪の毛がなく、灰色の姿をしていました。全身が灰をかぶったような灰色だったのです。まったく音も立てませんし、実際、私の邪魔をしたくないようでした。これが何年も続いたので、私にとってはお馴染みの光景でした。後になってから、イエスはこの全てを説明してくださいました。この霊魂たちは、私が回心する時の祈りを待っていたのです。
- 守護の天使と全天に背を向けられた途端、私は「裸」になってしまいました。
- 天に見放されて。
- ここからは御子が話されました。
- 聖三位一体。
- 聖三位一体が話されました。